第三十話“ファーストコンタクト!戦いはこれからだ! 神威 VS G”


メカの残骸
むき出しの地表
大地の裂け目
クレーターのような穴
吹き荒れる嵐

・・・そして、対峙する2体のロボット

全てはここから始まった

シャキン!
赤を基調としたロボットの背面にウイングが展開される
ドシュ!
上空に飛び立ったロボットはマッハを超える速さで“ディスパレイド”に迫る
ギィイイイ
ガキィ!
右拳が一閃
吹き飛ばされるディスパレイド
勢いそのまま、ロボットの額が輝きを放つ
ビオオ
ズオオオォォォ!
超光熱量のビーム
薙ぎ払われたビームは不毛の大地を焦がす
ビームはディスパレイドの下半身に直撃
下半身が蒸発
体勢を崩し、大地に横たわるディスパレイド
ロボットが接近する
だが
ズズズ
近くにあったメカの残骸と下半身部が融合する
凄まじい速さで下半身が再生を始める
ここで背面に“ディスパ”の飛行補助ユニットが展開される
これも融合したのだろうか
上半身のブースターを噴射して、一旦距離を取る
そして、すぐに切り返す
下半身の再生が終わらぬうちに左手を光らせる
グオオ!
飛行補助ユニットを利用しての、上空からの『光の手』
猛スピードで突き進むディスパレイド
ロボットが目前に・・・迫る!
ガシュ
ディスパレイドはすり抜けた
何が起こったのか!?
なんとロボットは3機の戦闘機に分離していた!
ギュオオォォォ
ガシュ!
3機の戦闘機は再び合体した
だが、先ほどとは姿が異なる
赤を基調とした力強いロボットは、青を基調とした細身のロボットへと変化していた
ギュギュン
一瞬にして姿を消すロボット
ギャオオオオ!
気がついたときには、目の前で左手のドリルが腹部を貫いていた
ロボットは左腕をディスパレイドごと無造作に振り回す
投げ飛ばされるディスパレイド
ドリルは胴体に突き刺さったまま
ドリルの端がチェーンで左腕と結ばれていた
チェーンがいっぱいに伸びる
ロボットはその場で回転を始めた
グオオオォォォ!
ディスパレイドはロボットを円の中心として、猛烈な勢いで振り回される
竜巻が発生しそうなほどの勢いだ
再生しきっていない下半身が徐々に崩壊する
ふいにドリルが胴体から外れた
ドリルから解放された機体は、勢いそのままに空中を猛進する
ギュギュン
ガシュ!ガシュ!
ロボットはまたも目に見えぬ速さで一瞬にして落下地点に到達した
さらに再び分離し合体した機体は、今度は黄色を基調とした重厚なロボットへと変貌した
肩のアーマーが開き、ファンが露になる
ブオオオ!
回転を始めたファンは巨大な竜巻を巻き起こす
うなる竜巻は、空中に浮遊していたディスパレイドを飲み込む
さらに上空へと吹き飛ばされる
機体はきしみ、ボロボロに・・・
ガシュ!
分離した3機の戦闘機は上空のディスパレイドを目指す
ガシュ!
ビキッビキッ!
そこで再び赤い機体へと姿を変えた
両肩から、斧が飛び出す
両刃の斧だ
両手に斧を携え、目標物を睨む
ズバズバァァァ!
斧の切っ先が右肩から、左腰から、それぞれ斜めに入る
切断によって、機体がバラバラに分解
ドガグシャ
バラバラの機体が大地に突き刺さった

圧倒的な力の差に、ディスパレイドは力尽きたかに思えた
しかし、その状況下でも近場の廃メカを集めて再生を始める
近づけばすぐにでもその廃メカ同様にされてしまいそうな状況
だが、なぜかロボットはその再生状況を何もせずに眺めているだけだった
ズズ・・・ズ
徐々に元の姿を取り戻すディスパレイド
大地を再び踏みしめる
ここで、ディスパレイドは異変を見せた
先ほどの異形の姿とはまた別
“X”を主体とした姿ではない
ディスパの腕が胸部から突き出している
胸部からだけではない
腹部から、脚部から、背面から、複数の腕がその姿を覗かせている
全身から腕が飛び出していた
ビシュッ!
突如ロボットが動き出した
両手に持っていた斧を投げつける
ザシュザシュ!
この攻撃によって腕が何本かもぎ取られた
ディスパレイドはかまわず前へ進む
ディスパの手は光を帯びる
ディスパレイドの本来の2本の手は漆黒の光を放つ
黒と白
2つの光が混じり合う
2つの光の奔流が機体を包む
エネルギーの大幅な上昇
すべてを飲み込む凄まじいパワー
ブーメランのように戻ってきた2本の斧が、ディスパレイド激突寸前に蒸発した
ズワオオォォォ!ガキン!
一方、ロボットの右肩からは緑に輝く斧が飛び出す
長大な大きさの光り輝く斧は、ロボットの大きさの倍以上
ディスパレイドの4倍以上だ
その斧を両手で持ち、上段に構える
グワオオォォォ
ディスパレイドが猛スピードで接近する
光と闇の弾頭と化す
一気に両者の距離が詰まる
激突!
ブワオ
ギイン
すり抜けた!
何事もなかったかのようにすり抜けた!
ロボットは斧を振り下ろしていた
そして、ロボットの斧は蒸発して消えた
グワシャ
次の瞬間、すり抜けたもう一方の機体は崩れ落ちた
一刀両断
機体は真っ二つに・・・
2つに分離したディスパレイドがそこにはあった

ロボットはまたも動かない
だが、ディスパレイドは再生を始めない
まるで、もう戦うことをあきらめてしまったかのように
すでに最大とも思える攻撃をしかけたディスパレイド
それを難なくはね返したロボット
この先戦っても結果は見えていた
だから再生を始めないのだろうか
その姿を確認したロボットは、一瞬さみしそうな表情を見せた

竜が吼える
竜が光る
まばゆいばかりの光に包まれる
空が!海が!大地が!恐怖のあまりに震える
星全体が振動する
余りに桁違いなエネルギー
星を揺るがすエネルギー
絶望的なエネルギー

絶望の光が竜から発せられた

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