第一話“救出” そこは無機質な壁によって閉鎖された空間だった 少女は長い間その閉ざされた空間にいた 一糸纏わぬ姿でそこに存在していたのだ 少女はここで生き、ここで死ぬのだと自覚していた ある日少女は金属の焦げるような匂いがすることに気がついた その匂いは扉の方から放たれているようだった しばらくするとその扉が大きな音を立てて吹き飛んだ 部屋に光が差し込んだ その光の向こうに一人の少年が立っていた これが神威(かむい)と霞(かすみ)の出会いだった